今回は飯塚健二さんの本「「職場のやっかいな人間関係」に負けない法」から「行動動機の把握と対処法」についてご紹介します!
▽「職場のやっかいな人間関係」に負けない法
こんな人におすすめ
この本は・あの人と性格が合わない!
・言葉遣いや態度がムカつく!
・顔を見るのも話をするのもいや!
・なぜ私の言うことが伝わらないの?
こんなストレスや不満を抱えている人におすすめの内容になっています。
「職場のやっかいな人間関係」に負けない法の概要
こんなメソッドがあったのか!
ベルギーで開発された、人の「行動特性」を知る画期的なツール――
「iWAM(アイワム)」をベースに提案する人間関係の戦略
“出しゃばり”人間には → 「お先にどうぞ戦略」
“猪突猛進”人間には → 「目標共有戦略」
“心配性”人間には → 「不安言語化戦略」
“頑固一徹”人間には → 「問答法戦略」
“優柔不断”人間には → 「偉い人がいっている戦略」
“歯に衣着せぬ”人間には → 「ビシッと対処する戦略」
かわす、受け流す、立ち向かう――職場の「あの人」にもう振り回されない法
(Amazonより)
「職場のやっかいな人間関係」に負けない法の要約
まずは今回の内容を一気にご紹介します!1 行動動機を把握する「iWAM」とは? 2 認識スタイル「主体性」と対処法 3 認識スタイル「判断基準」と対処法 4 認識スタイル「スコープ」と対処法 5 認識スタイル「コミュニケーション時の焦点」と対処法 6 認識スタイル「責任所在」と対処法これらのポイントを抑えて人間関係の悩みから抜け出しましょう。
それでは一つづつ説明していきます!
iWANとは?
iWANとはInventory for Work Attitude and Motivationの略で、わかりやすく言うと、「個人が好んで使う「言葉」に着目して、その人の興味や価値観、行動動機を把握する」というものです。例えば、いつも何かと理由をつけて「無理」や「厳しい」が口癖のAさんの場合、iWAMでは「方向性」という認識スタイルと判断できます。
「方向性」の認識スタイルを持つ人の中でも、Aさんのように問題やリスク回避に意識が向くタイプを「問題思考・回避型」と呼び、こういうタイプの人は常に不安や問題点が気になるので、「その不安の正体を言語化したり明確化する」ことが有効な対処法になります。
このようにiWAMを使って相手の行動動機を知ることで、コミュニケーション力を高めていくことができます。
この本では10種類の認識スタイルが書かれていますが、今回はわかりやすいように5種類に絞ってご紹介します。
主体性
最初は認識スタイル「主体性」を持つ人についてです。ポイントは自分中心で動きたい人か、自分からは動かない人かという点です。
具体的に言うと「いつも出しゃばる人」や「なかなか動かない人」のことで、主体性のカテゴリの中でも、前者の出しゃばるタイプの人を「主体・行動型」と呼び、後者の動かない人を「反映・分析型」と呼びます。
「主体・行動型」の人の例として、ある会議でいきなり手を上げてまだ当ててないにも関わらす意見をまくしたてる人です。このような人がよく使う口癖は「さっそくやってみよう」「とりあえずはじめてみよう」と言います。
対処法としては出しゃばるタイプには「お先にどうぞ戦略」です。
発言する機会があれば先に発言させてあげる。
提案する機会があれば先に提案をさせてあげる。
このようにまずは先にやらせてあげると出しゃばりががぜんやる気になる可能性が高まります。
反対に「反映・分析型」の人の例としては、会議などで資料を見るフリをしてまったく意見を出さない人です。
こういう人の口癖は「周りの状況を見てからにしよう」「もう少し調べてからにしよう」という人です。
対処法としては「お膳立て戦略」です。
例えば会議の場で一人づつ意見を言って自分も意見を言わないといけないという状況にする。
役割分担をして一人づつ責任を与えて自分も何かやらないといけないという雰囲気にする。
このようにお膳立てすると「反映・分析型」の人も重い腰を上げます。
Point
認識スタイル「主体性」の人の対処法
出しゃばる人:「お先にどうぞ戦略」で先にやらせる
動かない人:「お膳立て戦略」でやる状況にする
判断基準
2つ目は認識スタイル「判断基準」についてです。ポイントは「自分の仕事がうまくいったかどうかをどこで判断しているか?」という事です。
具体的に言うと「人の言うことを聞かない人」や「周りに振り回される人」のことで、判断基準のカテゴリの中でも、
前者の人の言うことを聞かない人を「内的基準型」と呼び、後者の周りに振り回される人を「外的基準型」と呼びます。
「内的基準型」の人の例として、例えば新しくチームに入った人に周りの先輩が丁寧にアドバイスをしているにも関わらず、教えられた通りにしない人です。
このような人の傾向は「自分で判断する」「結果で判断する」というものです。
「内的基準型」の人の対処法としては「問答法戦略」です。
「あなたはどうすれば良いと思いますか?」
「あなたはなぜそう思うのですか?」
と質問して、相手の考え、意見を引き出しながら物事を進めていくようにするのです。
相手がしっかりと考えを持っていて、それが適切であれば何も問題ありません。
逆に考えが曖昧な場合はそこを突っ込み、相手に自分の至らない点に気づいてもらいます。
「外的基準型」の人の例としては、周りのアドバイスを聞いて素直な人のように見えるのですが、
やった仕事について確認すると「A先輩がそうしろとおっしゃったので」「B先輩の仕事がそうだったので」と自分の意志がありません。
このような人の傾向としては
「周りからのフィードバックで判断する」
「周りの人の態度や表情で判断する」
というものです。
「外的基準型」への対処法としては「みんなそういっている戦略」(偉い人が言っている戦略)です。
そう言えば相手は「ならばそれが正しい」と思い、こちらの思い通りに動いてくれます。
これは心理学で「同調行動」と言われています。
Point 認識スタイル「判断基準」の人の対処法
人の言うことを聞かない人:「問答法戦略」で相手の意見を引き出す
周りに振り回される人:「みんなそういっている戦略」で同調行動を利用する
スコープ
3つ目は認識スタイル「スコープ」についてです。ポイントは物事を大きく捉えるか?、細かく捉えるか?ということです。
具体的に言うと「指示が大雑把な人」や「指示が細かい人」のことで、スコープのカテゴリの中でも、
前者の指示が大雑把な人を「全体型」と呼び、後者の指示が細かい人を「詳細型」と呼びます。
「全体型」の人の例として、上司からフィードバックをする時に「全体的になんとかならない?」「とりあえず進めておいて」
というざっくりとした指示をして何も確認しない人です。
これでは部下は困ります。
このような人がよく使う口癖は「全体的に」「大枠で」「俯瞰する」などで、全体を見ることを重視します。
対処法としては「鳥の目戦略」です。
あなたも全体を俯瞰できる鳥の目を持ち、「この仕事の目的は何か?」「全体のスケジュールはどうなっているか?」
と物事の全体を意識し、その中で優先順位をつけながら仕事を進めていきましょう。
「詳細型」の人の例として、例えば部下が作成した報告書に対して
「ページ番号もっと下に置いて」「このフォント少し小さくない?」と
重箱の隅をつつくような指示をしてくる人です。
「どうでもいいことまでいちいち口出しするなよ」と言いたくなります。
このような人がよく使う口癖は「具体的に」「詳細に」「正確に」など、細かいことに意識が向いています。
対処法としては「虫の目戦略」です。
細かい所まで見れる「虫の目」を持ち、「この仕事の細部をどう詰めるか?」「この書類に抜け、漏れはないか?」
と詳細に考えることでミスを防ぐことができます。
Point 認識スタイル「スコープ」の人の対処法
指示が大雑把な人:「鳥の目戦略」で仕事の全体を把握する
指示が細かい人:「虫の目戦略」で仕事のミスを防ぐ
コミュニケーション時の焦点
4つ目は認識スタイル「コミュニケーション時の焦点」を持つ人についてです。この人達は「コミュニケーションを取る際にどこに焦点を当てているか」がポイントです。
具体的に言うと「角が立つ言い方をする人」や「感情的な言い方をする人」のことで、
こののカテゴリの中でも、前者の角が立つ言い方をする人を「内容重視型」と呼び、
後者の感情的な言い方をする人を「非言語重視型」と呼びます。
「内容重視型」の人の例として、
何かトラブルがあった場合、「今回のトラブルは以前にも同じような原因で起きているじゃないか。情けない。恥ずかしいと思わないのか」と厳しい口調で次々と非難の言葉を浴びせかける人です。
その場の雰囲気は最悪になります。
このような人達は
「相手の話の内容や言葉を重視する」
「事実に意識が向く」
という人であり、この傾向が強い人は話している内容に意識が向き、周りへの雰囲気に気づかずストレートな表現になってしまいます。
そのため、相手の感情を無視した冷たい人、理屈でまくしたてる人という悪印象を与えてしまいます。
対処法としては「気にせずビシッと対応する戦略」が有効です。
こちらも自分が思っていることをストレートに伝えるのがおすすめ。
「内容重視型」は感情では動きにくいので、理論的に説明し納得させましょう。
「非言語重視型」の人の例としては、
非難された時にすぐムッとして「あなたはどうなんですか?!この前だって〜」と逆ギレする人です。
同席している人はたまったものではありません。
このような人達は
「相手の表情や気持ちに気を配る」
「その場の雰囲気を汲み取る」
という傾向が強いです。
このような人は周りから思いやりがあり協調性が高いという一面もありますが、
相手への気持ちがわかるだけに感情的にもなりやすいのです。
対処法としては「しっかり観察戦略」です。
相手が感情的になっている時は相手にする必要はありません。観察します。
それからタイミングを見て「何か意見がありますか?」「何か話したいことがありそうだけど?」と様子をみながら声をかけましょう。
Point 認識スタイル「コミュニケーション時の焦点」の人の対処法
角が立つ言い方をする人:「気にせずビシッと対応する戦略」でストレートに伝える
感情的な言い方をする人:「しっかり観察戦略」で観察する
責任所在
最後は認識スタイル「責任所在」を持つ人についてです。このタイプは「モチベーションの上がる責任の取り方」に特徴があります。
具体的に言うと「一人で仕事を進めたがる人」や「周りの人を巻き込みたがる人」のことで、
責任所在のカテゴリの中でも、前者の一人で仕事を進めたがる人を「自己責任型」と呼び、
後者の周りの人を巻き込みたがる人を「責任分担型」と呼びます。
「自己責任型」の人の例としてよくあるのが一人で仕事を抱え込む人です。
人に仕事を任せることは仕事ができ ないダメな人と思う一面があります。
このような人は、「自分一人で責任を取る」という傾向があり、
責任感が強い一方、誰にも仕事を振れずに一人で抱え込む危険性があります。
対処法としては
「君に任せたぞ戦略」です。
「あなたに任せる」「あなたの判断に委ねる」ということを伝えれば気持ちよく仕事を引き受けてくれます。
チーム内で役割分担をする場合は、その「役割の範囲」を明確にして伝えましょう。
「責任分担型」の人の例としては、
仕事を抱え込む人に対して「自分ひとりの手柄にしている」「部下が育たない」と思う傾向があります。
しかし、自分は仕事をせずに部下に丸投げしているかもしれません。
このような人は、「責任を分担する」
傾向があり、周りの人と責任を分担することでやりがいを感じますが、
責任の所在が曖昧になり、仕事の抜けや漏れが発生する可能性があります。
対処法としては
「君一人に責任を押し付けないぞ戦略」です。
「みんなと相談しながら」「みんなで力を合わせて」という言い方でプレッシャーを与えないようにします。
仕事を任せながらも必要なサポートはするというメッセージを伝えましょう。
Point 認識スタイル「責任所在」の人の対処法
一人で仕事を進めたがる人:「君に任せたぞ戦略」で任せる範囲を明確にする
周りの人を巻き込みたがる人:「君一人に責任を押し付けないぞ戦略」でプレッシャーを与えない
「職場のやっかいな人間関係」に負けない法のまとめ
最後に今回の内容についてのまとめです。・相手が好んで使う「言葉」に着目して、その人行動動機を把握する
・認識スタイル「主体性」の人の対処法
出しゃばる人:「お先にどうぞ戦略」で先にやらせる
動かない人:「お膳立て戦略」でやる状況にする
・認識スタイル「判断基準」の人の対処法
人の言うことを聞かない人:「問答法戦略」で相手の意見を引き出す
周りに振り回される人:「みんなそういっている戦略」で同調行動を利用する
・認識スタイル「スコープ」の人の対処法
指示が大雑把な人:「鳥の目戦略」で仕事の全体を 把握する
指示が細かい人:「虫の目戦略」で仕事のミスを防ぐ
・認識スタイル「コミュニケーション時の焦点」の人の対処法
角が立つ言い方をする人:「気にせずビシッと対応する戦略」でストレートに伝える
感情的な言い方をする人:「しっかり観察戦略」で観察する
・認識スタイル「責任所在」の人の対処法
一人で仕事を進めたがる人:「君に任せたぞ戦略」で任せる範囲を明確にする
周りの人を巻き込みたがる人:「君一人に責任を押し付けないぞ戦略」でプレッシャーを与えない
これらのポイントを抑えて人間関係の悩みから抜け出しましょう。
ということで、いかがでしたでしょうか?
職場の人間関係で大変な方も多いと思いますが、参考になれば嬉しいです。
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▽「職場のやっかいな人間関係」に負けない法
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