【書評・要約】実行力〜橋下徹著、結果を出す「仕組み」の作り方〜

実行力

読書大好きゆーぽん(@jiyucho33)です!

今回は結果を出す「仕組み」の作り方「実行力」を紹介します!

著者は大阪府知事、大阪市長として数々の改革を行ってきた橋下徹氏。

過去にテレビ番組の「行列のできる法律相談所」の弁護士として記憶に残っている方もいると思います。

この本はそんな橋下氏が行ってきた「結果を出すチーム作りや実行プラン」について書かれた本。

どうやって部下をやる気を出させるのか、机上の空論に終わらせずどうやって実行するのか……。

どれも具体的に書かれており真似がしやすい。

企業や部署、組織のリーダーをしている方にとても参考になる一冊です。

▽実行力

実行力の評判

実行力の紹介文

38歳で大阪府知事に就任し、数々の改革を成し遂げてきた橋下徹氏。
大阪府庁1万人・大阪市役所3万8千人の職員、組織、そして国をも動かして結果を出してきた秘訣とは何か。
年上の部下や並いる反対派をいかにして説得・掌握し、大阪の大改革へと舵を切ったのか、その手腕を初めて明かす。

・「敵」はあえて側に置く
・リーダーと現場の仕事の切り分けかた
・チーム作りの「失敗の本質」
……など、自身の経験や例を挙げつつ、具体的に解説。

部下と上司を動かし、チームや組織を変える。
今の時代に一番必要なのは、アイデアじゃなく「実行力」だ。
橋下流「君主論」の全貌。
(Amazonより)

実行力のポイント

  1. リーダーの仕事は部下をやる気にさせること。
  2. 正しい解を見つけ出すよりまずは決断。
  3. 組織を動かすには「実行プラン」が必要。

実行力はこんな人におすすめ

  • 企業や組織の代表・管理職の人
  • 部署やチームのリーダーの人
  • 部下や後輩を持つ人
  • リーダーシップや組織作りについて学びたい人

著者の橋下徹さんってどんな人?

  • 早稲田大学政治経済学部卒業。
  • 1998年、橋下総合法律事務所を開設。
  • 2008年に38歳で大阪府知事、2011年に42歳で大阪市長に就任。
  • 大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人の組織を動かし、絶対に実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や行政組織・財政改革などを実行。
  • 2015年、大阪市長を任期満了で退任。
  • 現在は弁護士、タレントとして活動。

まずは人を動かす

最後は従うを守ってもらうと多様な意見を取り入れられる

現代のビジネスパーソンは、答えが出せないような難しい案件ばかり抱えています。絶対的な正解を見つけることなどできません。

「絶対的な正解を見つけることができない」と言うことを前提におくと、自分とは違う立場の人の意見を聞くことが非常に重要になってきます。

様々な意見を聞きながら修正していき、できるだけ正解に近づけるようにしていくしかありません。

そういう意味で、「周囲にイエスマンばかり置くな」と言うのは一理あります。

しかし、「最終的に決まったことには従う」と言う点を押さえていないと、意見が平行線をたどって、いつまでたっても結論が出なくなります。

最終的に従ってくれるかどうか分からないと、不安になって反対派を押さえつけようとしたり、反対派の話を全く聞かなくなる。

「決まったことには従う」と言う原則を組織に守ってもらうことが、反対意見を聞くための大きなポイント。

反対意見を聞いた上での決定は、反対者の不満を和らげ、適度な修正がかかってその後の運営がうまくいくことが多い。

本当に実行すべき課題はどう見つけるか

リーダーは小さな問題点には目をつぶり大きな問題点を見つける

最初にリーダーのポストに就いたとき、考えるべき事は「現場の仕事」と「リーダーの仕事」の仕分けです。

僕は、現場に任せてやってもらう仕事の領域と、僕が主導権を持ってやる仕事の領域の仕分けにこだわりました。

リーダーが現場の実務の細かいことに口出しすると、たいがい失敗します。

細々としたところにまで、「これは違うんじゃないか」「あれは違うんじゃないか」と口を出すと、現場から「何も知らないくせに」と思われますし、実際リーダーは現場のことをそこまで知りません。

現場における実務上の問題点というのは、探せば山ほど出てくる。細かい問題点を指摘し始めたらキリがない。

実務的な問題の解決は現場に任せればいい。

それよりも現場が気づいていない大きな問題点を探り出して、それについて現場ときちんと話し合いながら最後が決断・判断・決定をしていくことがリーダーの役目。

正しい解を見つけ出すよりまずは決断

コンサルタントや学者が書いた経営書には「絶対的に正しい解を見つけ出すための方法論」が延々と書いてあります。

しかし、右か左かフィフティ・フィフティの煮詰まった案件が、1日に何十件も上がってくる状況に置かれた人間が、そんなメソッドで一件一件判断できるはずがありません。

リーダーがやるべき事は、組織に正しい解を見つけさせる努力を促し、自らのところまで来た案件については絶対的に正しい解を見つけ出すと言うよりも決断をして責任を取ること。

「どちらを選択すべきか分からない」と言う事は、「どちらを選択しても大して差がない」と言う事。

そう開き直ってしまえばプレッシャーに負けずに判断・決断ができる。

実行し、信頼される人の条件とは

リーダーの仕事は部下をやる気にさせること

僕が痛感したのは、「組織は口で言っても動かないが、何かを実現させるとメンバーの意識が劇的に変わる」と言うことです。

今まで「できない」と思っていたことが「できる」という成功体験に変わると、エンジンがかかります。

人間は面白いもので、できると思い始めると何も言わなくても自らどんどんチャレンジしていきます。

リーダーの仕事とは、部下をそういう状態にもっていくことだと思う。

大きな方針を示し、その方針に沿ったことを実現させて皆に見せる。

そうすると皆の意識が変わり始め、放っておいても自ら動き始める。

実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」

優れたビジョンは簡潔で具体的

最初はA4のたった1枚の紙から始まっています。

優れたリーダー・トップの方針というものは、簡潔で具体的で、「それがあるからこそ組織が動くことができる」というものです。

もし最初の指示で20枚位の紙に細かいことを書いて渡していたら、おそらく現場は手足を縛られてフリーズしてしまう。

リーダーはそこまで現場のことを把握しているわけではない。

中身の詰めはやはり現場がやらなければなりませんので、現場が判断できる材料を与えてあげなければならない。

ビジョンがあっても実行プランがなければ何も動かない

リーダーは大きな方針やビジョンを打ち出すことが大事ですが、それだけで物事が実現できるわけではありません。

役所でも企業でも、組織を動かして実行するには「実行プラン」(工程表)が必要です。

世のコンサルタントや学者の中には実行プランの事は全く考えず、「ビジョンだ」「戦略だ」と言っている人がたくさんいる。

コンサルタントが役所や企業に対して戦略を提言してもほとんど役に立たないのは、組織を動かすための実行プランや実行プロセスが全く考えられていないから。

上司を動かし、提案を通す

トップは「比較優位」で考えている

多くの人が頭を悩ませるのは「上司が自分の提案を聞いてくれない」という事でしょう。

新しいことにチャレンジしたくても、なかなか提案が通らない、自分の考えが理解されない。

もちろん上司の資質もあるかもしれませんが、自分の提案を通したいなら、まずは相手の思考回路を知ることです。

常々部下には「案を出すときには、3つ出してほしい」と言っていた。

最善と考える案、その対極の案、中間のマイルドな案の3つ。

1つの案を持ってきてメリット・デメリットを説明されてもその優位性が分からない。

1案でなく、その対極にある中間の案を用意して、それぞれのメリット・デメリットを比較して説明してくれれば判断しやすくなる。

案を検討するときに重視したのは「比較優位」と言う考え方。

A案、B案、C案を比較して、B案が比較優位であるならばB案のデメリットには目をつぶるという考え方。

簡単に言えば1番ましな案を選ぶということ。

トップは難しい案件ばかり抱えている。

比較優位の思考回路を持っていないと、デメリットばかりに目がいってしまって何も決断できなくなる。

その他、役立つポイント

  • 実行のための人間関係の作り方。
  • どれだけ怒っても人は動かない。
  • どんな意見も徹底的に聞くことで結果的に組織が回る。
  • 「判断の軸」を部下に示すことは問題解決の第一歩。
  • 部下の固定概念をぶち壊すために何をするか。
  • 人がついてくる最大の理由は共感
  • 「ビジョン作り」と「チーム作り」はソフトとハードのワンセット
  • プロジェクトチームの決定を実行する仕組みを作る
  • トップは全体最適を考えている。部分最適案は採用されない。
  • 強い組織は情報共有の横串がしっかりしている。
  • 危機管理は「まずい情報」を早くあげさせることから。
  • 実行できる組織は格子状が理想形

実行力のまとめ

  • 最後は従うを守ってもらうと多様な意見を取り入れられる。

  • リーダーは小さな問題点には目をつぶり大きな問題点を見つける。

  • 正しい解を見つけ出すよりまずは決断。

  • リーダーの仕事は部下をやる気にさせること。

  • 優れたビジョンは簡潔で具体的。

  • 組織を動かすには「実行プラン」が必要。

  • トップは「比較優位」で考えている。

▽実行力

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