【書評・要約】嫌われる勇気〜アドラー心理学ブームの火付け役となった本〜

嫌われる勇気

読書大好きゆーぽん(@jiyucho33)です!

今回はアドラー心理学ブームの火付け役となった本「嫌われる勇気」の要約&書評を紹介します。

普段本を読まない人でも「嫌われる勇気」という本は知っているのではないでしょうか?

ここ数年ランキングの常連となっている本で、多くの人に読まれています。

アドラー心理学について書かれており、対人関係やトラウマ、コンプレックスなど人間のあらゆる悩みについて答えてくれます。

心理学というと難しいというイメージがあるかもしれませんが、会話形式で書かれているのでとても読みやすいです。

私はなんとなく今まで読む機会がなかったのですが、コロナの影響でステイホーム時間が多かったので読んでみました。

実際に読んでみると、今までモヤモヤしていた悩みがスッキリ整理されていく感覚になりました。

中学生から大人まで、多くの人におすすめできる一冊です。

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嫌われる勇気の概要

「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない――
【対人関係の悩み、人生の悩みを100%消し去る〝勇気〟の対話篇】

世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。

本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。
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嫌われる勇気の要約

嫌われる勇気の要約ポイントは以下の3つです。

1. トラウマは存在しない
2. 前に踏み出す勇気を持つ
3. 劣等感は主観的な思い込み

それでは一つづつ解説していきます。

トラウマは存在しない

アドラー心理学ではトラウマを明確に否定します。

フロイト的なトラウマの議論は興味深いものでしょう。

心に負った傷(トラウマ)が現在の不幸を引き起こしていると考える。

人生を大きな「物語」として捉えた時、その因果律がわかりやすさ、ドラマチックな展開には心をとらえて離さない魅力があります。

しかし、アドラーはトラウマの議論を否定する中でこう語っています。

「いかなる経験もそれ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショックーいわゆるトラウマに苦しむものではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。

自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである」と。

アドラーが「経験それ自体」ではなく、「経験に与える意味」によって自らを決定すると語っているところに注目する。

例えば、大きな災害に見舞われたとか、幼い頃に虐待を受けたといった出来事が人格形成に及ぼす影響がゼロだとは言わない。影響は強くある。

しかし、大切なのはそれによって何かが決定されるわけではないと言うこと。

我々は過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している。

人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分。

前に踏み出す勇気を持つ

私はこの書斎で簡単なカウンセリングも行っています。

そしてもう何年も前の話になりますが、1人の女学生がやってきました。

彼女の悩みは赤面症でした。人前に出ると赤面してしまう、どうしてもこの赤面症を治したいといいます。

そこで私は聞きました。もしその赤面症が治ったらあなたは何がしたいですか。

すると彼女はお付き合いしたい男性がいると教えてくれました。

密かに思いを寄せつつも、まだ気持ちを打ち明けられない男性がいる。赤面症が治った暁にはその彼に告白してお付き合いをしたいのだと。

本当に赤面症を直さなきゃいけないのでしょうか?

私の見立ては違います。

どうして彼女が赤面症になったのか、どうして赤面症が治らないのか、それは彼女自身が赤面と言う症状を必要としているからです。

彼女にとって一番恐ろしいことを、一番避けたい事は何だと思いますか?

その彼に振られてしまうことです。失恋によって私の存在や可能性を全て否定されることです。

思春期の失恋には、そうした側面が強くありますからね。

ところが赤面症を持っている限り、彼女は「私が彼とお付き合いできないのはこの赤面症があるからだ」と考えることができます。

告白の勇気を振り絞らずに済むし、たとえ振られようと自分を納得させることができる。

そして最終的には「もしも赤面症が治ったら私だって…」と可能性の中に生きることができるのです。

じゃあ、具体的にどうすればいいのか?

彼女が自分に自信を持てていなかった。このまま告白してもきっと振られるに違いない。そうなったら自分がますます自信を失い、傷ついてしまう、と言う恐怖心があった。

だから赤面症と言う症状を作り出した。

まずは今の自分を受け入れてもらい、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持ってもらうこと。

アドラー心理学ではこうしたアプローチのことを勇気づけと呼ぶ。

結局、彼女は友達を交えてその男性と遊びに行く機会があり、最終的には彼の方から付き合ってほしいと告白された。

もちろん彼女が再びこの書斎にやってくる事はなくなった。

赤面症がその後どうなったのか知らない。ですがおそらくもう必要としなくなったのだろう。

劣等感は主観的な思い込み

私の身長は155センチメートルです。かつて私は自分の身長について思い悩んでいました。

もし人並みの身長があれば、あと20センチ、せめて10センチでも身長が高ければ何か変わるんじゃないか、もっと楽しい人生が待っているのではないか。

そう思ってある時友人に相談した。

ところ彼は「くだらない」と一蹴したのです。

続けて彼はこう言いました。「大きくなってどうする。お前には人をくつろがせる才能があるんだ」と。

ここで大切なのは155センチメートルという私の身長が「劣等性」ではなかったと言うことです。

事実として、何かが欠けていたり、劣っていたりするわけではなかったのです。

確かに155センチメートルという身長は平均よりも低く、なおかつ客観的に測定された数字です。一見すると劣等性に思えるでしょう。

しかし、問題はその身長について私がどのような意味付けをほどこすか、どのような価値を与えるかなのです。

私が自分の身長に感じていたのはあくまでも他者との比較、つまりは対人関係の中で生まれた主観的な「劣等感」。

もしも比べるべき他者が存在しなければ、私は自分の身長が低いなどと思いもしなかったはず。

あなたも今、様々な劣等感を抱えて苦しめられているのでしょう。

しかし、それは客観的な「劣等性」ではなく、主観的な「劣等感」であることを理解してください。

身長のような問題でさえも、主観に還元される。

つまり、我々を苦しめる劣等感は「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」である。

嫌われる勇気の書評

「嫌われる勇気」はここ数年ベストセラーの常連となっている本で、アドラー心理学の火付け役となっています。

対人関係やトラウマ、劣等感など、誰しもが思う悩みに対して答えを出してくれます。

「嫌われる勇気」というタイトルはなかなかインパクトがありますが、「嫌われる」という言葉よりも「勇気」という言葉がこの本のキーワードです。

「勇気」を持つ思考、「勇気」を持って行動する大事さがよく理解できます。

アドラー心理学というと難しそうですが、前編を通して青年と哲人という二人の会話で話が進んでいくので、とても読みやすいですね。

大人にも大変役に立つ本ですが、中学生くらいから読むことができます。

人生で悩んだ時に何度も読み直したい本です。

次はこの本の続編、「幸せになる勇気」を読んでみたいと思います。

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